ハロウィン後からクリスマスまでの期間
ハロウィンが終わると、リッチモンドのセカンダリースクールは一気に冬のホリデーシーズンに向けた雰囲気に包まれます。この時期は、カナダの学校生活において非常に活気に満ちた期間で、学業と様々なイベントが織り交ざった充実した日々が続きます。
授業の様子と学習環境
11月から12月にかけて、授業は学期の後半に入り、学習内容もより深まっていきます。BC州のカリキュラムでは、この時期に重要な単元テストやプロジェクト発表が多く予定されています。
学校の授業では、12月中旬に予定されている冬休み前のテストに向けて、復習やまとめの時間が増えてきます。9年生の息子が受講しているサイエンスのクラスでは、冬休み前に75問のテストが実施される予定です。教師たちは生徒の理解度を確認しながら、必要に応じてPLTの時間に個別指導を設けることもあります。
息子が受講している英語のクラスでは、『ジキル博士とハイド氏』を題材にした比較エッセイの作成に取り組んでいます。

リメンバランスデー(11月11日)
11月11日のリメンバランスデー(戦没者追悼記念日)は、カナダの学校にとって重要な日です。多くのセカンダリースクールでは、体育館で全校集会が開かれ、第一次世界大戦、第二次世界大戦をはじめとする戦争で命を落とした兵士たちを追悼します。
生徒会メンバー式典に参加し、11時には2分間の黙祷が捧げられます。生徒たちは赤いポピーの花を胸につけ、平和の大切さと歴史を学ぶ機会となります。
また、この日は音楽の選択のクラスの生徒のバンド、コーラスが中心となり、カナダの国歌「OCanada」やリメンバランスデーにちなんだ厳粛な曲を演奏します。コーラスの合唱による静かなハーモニーや吹奏楽による荘厳なサウンドが式典を包み、学校全体が一体となって追悼の気持ちを表します。
バンドコンサートと音楽プログラム
12月に入ると、音楽選択教科の集大成として、ウィンターバンドコンサートが開催されます。これは、年間を通じて最も期待されるイベントの一つです。
バンドの生徒たちは、9月から練習を重ねてきた楽曲を披露します。コンサートバンド、ジャズバンド、オーケストラなど、さまざまなアンサンブルが参加し、クラシックからジャズ、ポップス、さらにはホリデーシーズンにちなんだクリスマスキャロルまで、幅広いレパートリーを演奏します。
コンサートは通常、学校のシアターや体育館で行われ、保護者や地域の方々も招待されます。当日は会場が満員となり、生徒たちの成長を感じられる感動的な夜となります。演奏後には、保護者から温かい拍手と歓声が送られ、生徒たちにとって大きな達成感を味わう貴重な機会となります。

スポーツシーズン
この時期、セカンダリースクールでは授業とは別に行われるクラブ活動(課外活動)として、バスケットボールやバレーボールが盛んになります。これらのスポーツは放課後や週末に練習や試合が行われ、生徒が自主的に参加します。
各学校のチームは、リッチモンド地区内や他の地域の学校と対戦し、試合の日には体育館が多くの生徒で賑わい、熱気に包まれます。学校対抗の試合では、生徒会が中心となって応援を盛り上げ、ホームゲームではチームカラーの服を着た生徒たちが声援を送ります。
昨日は、近所にあるセカンダリー校と息子が通う学校とのバスケットボールの試合が放課後に行われました。観客席には多くの生徒が集まり、歓声や拍手が飛び交う中、息子も友人たちと一緒に声を出して応援していたようです。女子チームは見事に勝利しましたが、男子チームは惜しくも敗れてしまいました。
ホリデーブレックファースト
12月のハイライトの一つが、ホリデーブレックファーストです。これは生徒会や教師が企画する特別なイベントで、学期末を祝い、学校コミュニティの結束を深める目的があります。
通常、登校時間の前や朝の特別な時間帯に、カフェテリアで開催されます。パンケーキ、ソーセージ、卵料理、フルーツ、ホットチョコレートなど、温かい朝食が提供され、生徒たちは友人や教師と一緒に食事を楽しみます。会場はホリデーデコレーションで飾られ、クリスマスミュージックが流れる中、和やかな雰囲気に包まれます。
このイベントは、普段忙しい学校生活の中で、リラックスして交流できる貴重な機会として、多くの生徒に人気があります。

その他のホリデーイベント
12月には、様々な文化的・社会的イベントが学校で開催されます。
ホリデーアセンブリーでは、合唱団のパフォーマンス、ダンスショー、コメディスキットなどが披露され、学校全体でホリデーシーズンを祝います。多文化が共存するリッチモンドでは、クリスマスだけでなく、ハヌカや他の冬の祝祭についても紹介されることがあります。
チャリティドライブも重要な活動です。多くの学校では、地域のフードバンクへの食料品寄付や、困難な状況にある家族への支援を行います。生徒会が中心となって、おもちゃドライブや衣料品 缶詰めなどの食料品の収集キャンペーンを展開し、コミュニティへの貢献を学びます。
学校の雰囲気と日常生活
この時期の学校は、装飾が施され、廊下やカフェテリアにはクリスマスツリーやライト、スノーフレークの飾りが見られます。美術の授業では、ホリデーをテーマにした作品制作が行われ、生徒たちの創造性が発揮されます。
カフェテリアでは、季節限定のメニューが登場することもあり、エッグノッグや、ホットチョコレートやジンジャーブレッドクッキーなどが人気です。

学期末に向けて
12月中旬になると、学校は学期末の活気に包まれます。冬休み前の最終テストやプロジェクト提出の締め切りが近づき、図書館やラーニングコモンズでは、それぞれの目標に向かって勉強する生徒たちのエネルギーであふれています。
教師たちも成績評価の準備を進めながら、生徒一人ひとりがこの学期でどれほど成長したかを丁寧に見守ります。生徒たちも、自分の努力や成果を実感できる時期です。
そして迎える最終登校日。多くのクラスでは、小さなクリスマスパーティーのようなイベントが開かれ、先生がチョコレートなどのお菓子を用意してくれることもあります。映画を見ながら友だちと笑い合ったり、学期の思い出を語り合ったりと、心が温まるひとときを過ごします。
先生たちも、生徒たちをねぎらいながら「良い冬休みを過ごしてね」「安全に楽しんでね」と優しく声をかけてくれます。
まとめ
ハロウィン後からクリスマス前までの期間は、リッチモンドのセカンダリースクールにおいて、学業とコミュニティイベントが調和した充実した時期です。バンドコンサート、ホリデーブレックファースト、スポーツイベント、チャリティ活動など、多様なプログラムを通じて、生徒たちは学習だけでなく、社会性、創造性、リーダーシップを育む機会を得ています。この時期の経験は、カナダの学校文化を深く理解し、生涯の思い出となる貴重なものとなるでしょう。
執筆者
カナダ在住ママ:T.H.


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