「みなさん、こんにちは。カナダ在住35年、現地留学コンサルタントの岩井真由美です。弊社はカナダに拠点を構え、日本とカナダの両方から生徒さんの留学をサポートしています。カナダ留学に特化し、カナダ全土の学校へのお手続きが可能です。
私達が何よりも大切にしているのは、「現地のお母さん」のようなサポート。現地在住だからこそできるきめ細やかな対応と、学校やホストファミリーとの長年の信頼関係を基盤に、生徒さん一人ひとりを丁寧に見守っていきます。海外に送り出す不安を、安心に変える事。それが私達の役割です。」
留学は、お子様だけでなく保護者様にとっても大きな挑戦です。だからこそ今回は、現地で母として子どもを見守る立場の方に、「カナダ留学に向いている人」について綴っていただきました。
「カナダ留学に向いている人って、どんな人ですか?」
これは、お子さんの背中を押そうとしている親御さんから、最も多く寄せられる質問の一つです。
英語が得意な子?成績が優秀な子?それとも、誰とでもすぐに仲良くなれる社交的な性格の子でしょうか。
もちろん、それらも大切な要素かもしれません。しかし、実際にカナダの教育現場で、壁にぶつかりながらも、目に見えて顔つきが変わり、大きく成長していく留学生たちを間近で見てきて感じるのは、「向いている・向いていない」の本質は、学力や英語力といった目に見える数字だけでは決して決まらない、ということです。
むしろ、留学生活を真に実りあるものにするのは、スキル以上に、心の持ちよう――つまり「世界との向き合い方」にあります。
カナダという国は、世界中から人々が集まる「モザイク国家」です。そこでは、日本で握りしめてきた「正解」が、一日で覆されることも珍しくありません。そんな環境で、一歩先へ進めるのはどんなお子さんなのか。私が見てきた、カナダで輝く人の共通点を紐解いてみたいと思います。

① 完璧でなくても「やってみよう!」と飛び込める人
カナダ留学を成功させる子が持っている一番のエンジン。それは、完璧を求める「正しさ」ではなく、不完全なまま一歩踏み出す「遊び心と勇気」です。
カナダの教室を覗いてみてください。そこには英語が完璧でない留学生がいるのは「当たり前」という、どこまでもフラットで温かい世界が広がっています。ネイティブのような発音や、教科書通りの完璧な文法よりも、「つたなくてもいい、今の自分の言葉で伝えよう」とするその姿勢こそが、最高にクールで価値があるものとして尊重されるのです。
もちろん、最初からすべてがうまくいくわけではありません。
「先生の言っていることがまるで呪文のように聞こえる」「伝えたいのに言葉が喉でつかえてしまう」……そんな、もどかしくて涙が出そうな瞬間は、成長痛のように必ずやってきます。
日本人は特に、「もっと上手になってから話そう」「間違えないようになってから挑戦しよう」と思いがちです。私自身もそうでした。準備が整ってから、完璧になってから——そう思っているうちは、なかなか一歩が踏み出せませんでした。
けれど、現地に来てしまえば、そんなことは言っていられません。買い物も、授業も、友達づくりも、下手でも何でも「話さざるを得ない」のです。そこで初めて気づきました。完璧でなくても、世界はちゃんと回る。むしろ、不完全なままぶつかっていくほうが、ずっと早く道が開けるのだと。
「間違えても別にいいや、とりあえずジェスチャーで伝えてみよう!」
「分からないから、隣の席の子に思い切って話しかけてみよう!」
失敗を笑い飛ばして飛び込める子は、驚くほど早いスピードで現地の空気に溶け込み、誰からも愛される存在になっていきます。

逆に、日本で成績優秀だった子が陥りやすい罠が、「恥をかきたくない」「こんなことを聞いたら笑われるかも」というプライドの壁です。正解にこだわるあまり口を閉ざしてしまうのは、せっかくの宝の山を前にして立ち止まっているようなもの。
留学は、恥をかきに行く場所。
そして、「間違えても世界は終わらないんだ!」という解放感を知る場所です。
その殻を破った瞬間、お子さんの可能性は、カナダの大地のようにどこまでも広がっていくはずです。
② 自分の人生の「ハンドル」を自分で握る楽しさを知っている人
カナダの教育現場に足を踏み入れて驚くのは、生徒一人ひとりに与えられる「圧倒的な自由と責任」です。
日本のように「次はこれをして」「提出期限は明日だからね」と、手取り足取り指示が降ってくることはありません。課題の進め方も、テストに向けた準備も、そして自分の将来を決める進路相談まで。すべては「あなたはどうしたい?」という問いかけから始まります。
つまり、カナダ留学は、誰かに決められたレールを歩くのではなく、自分の人生のハンドルを自分で握る練習をする最高のステージなのです。
• 「これ、どういう意味?」と、臆せず先生の懐に飛び込める。
• 「助けて!」と、自分から周囲にSOSを発信できる。
• もし失敗しても、「じゃあ次はどうしようか?」と前を向ける。
こうした小さな「自分で決めて動く」ことの積み重ねが、カナダの教育スタイルでは驚くほど評価されます。
最初は戸惑うかもしれません。でも、「自分のことは自分で決めていいんだ」「自分の行動で世界が変わるんだ」という手応えを一度掴んでしまったら、子供たちは見違えるほど逞しくなります。
最初から完璧に自立している必要なんてありません。「これからは自分でやってみる!」という小さな決意さえあれば大丈夫。カナダの先生たちは、自ら動こうとする生徒を、全力で、そして対等なパートナーとしてサポートしてくれます。
日本によく居る指示待ちの「いい子」を卒業し、自分の足で力強く歩き出す。 そんな我が子の変化をワクワクしながら見守れるのは、親御さんにとっても留学最大の醍醐味になるはずです。
.jpg)
③ 多様性を「面白い」と思える人
カナダは本当に多民族・多文化社会です。セカンダリーに通う息子の世界史の先生はインド訛りの強いインド人でした、体育の先生は自身がトランスジェンダーである事をオープンにしています。
クラスメイトの国籍、宗教、価値観、家庭環境は本当にさまざま。「お父さんとお母さんがいるのが普通」「先生はこうあるべき」といった、日本では当たり前だった固定観念が通用しない場面も多くあります。
そんなときに、
「日本ではこうだからおかしい」と拒絶するのではなく、
「そんな生き方や家族の形もあるんだ」とフラットに受け止められる人は、留学生活を心から楽しめます。
違いに戸惑うことはあっても、それを否定ではなく「新しい視点という学び」として捉えられるかどうか。
この姿勢があると、英語力以上に、一人の人間として大きく成長していくことができます。

④ うまくいかない時期を乗り越えられる人
留学生活は、楽しいことばかりではありません。
ホームシック、友達関係の悩み、成績の伸び悩み、自信喪失。多くの留学生が、一度は「なぜ来たんだろう」と感じる時期を経験します。
カナダ留学に向いている人は、「落ち込まない人」ではなく、落ち込んでも立ち直ろうとする人です。
誰かに悩みを相談する、少し休む、やり方を変えてみる。そうやって少しずつ前に進める人は、結果的に留学を大きな財産にして帰っていきます。
⑤ 結果より「プロセス」を大切にできる人
カナダ留学は、短期間で劇的な成果が出るものではありません。
英語力も、学力も、人間関係も、ゆっくり積み上がっていきます。
「どれだけ成績が上がったか」だけでなく、
・自分の考えを英語で伝えようとした
・違う価値観の中で悩み、考えた
・一人で問題を乗り越えた
こうしたプロセスそのものに意味を見いだせる人は、留学を通して確実に強くなります。

おわりに
カナダ留学に向いている人とは、特別な才能を持った人ではありません。
不安があっても挑戦し、失敗しながら学び、違いを受け入れ、自分のペースで成長していける人。
その姿勢さえあれば、カナダという環境は、必ず大きな力になってくれます。
留学は「完成された人が行く場所」ではなく、「成長途中の人が育つ場所」。
その一歩を踏み出す準備ができているかどうかが、何より大切なのかもしれません。
執筆者
カナダ在住ママ:T.H.







